社員旅行は福利厚生か?
社員旅行は、日本では多くの企業がハラスメントの一部となるなどの理由から、
見かけることが少なくなってきましたが、タイに限らず、ASEANの多くの企業で実施をしている行事でもあるそうです。
実は、私もある社員から社員旅行のアドバイスをもらい、そういうものなのかなあ、と半信半疑でもありましたが、
「よし、やってみるか」と、、、
行先は、バンコクから150キロほど西にあるカンチャナブリです。
私がタイの観光名勝に詳しくないということもありましたが、行先も行程も手段もすべて社員たちに決めてもらいました。
カンチャナブリというところは、映画「戦場にかける橋」の舞台となったことでも有名で、
「Death Railway」と言われたほど、日本軍が多くの捕虜の犠牲者を出してまで建設をした悪名高い鉄道です。
私たち一行は、カンチャナブリ駅から1日に3本しか出ないその汽車に乗って2時間ちょっとかけて、
さらに50キロ先のタムクラセー駅まで向かいました。
途中、かつて激戦の的となったその「クウェー川鉄橋」をゆっくりと渡り、
また岩山を爆破しながら作ったと言われる切り通しを抜け、
最後は最大の難所だったと言われる断崖絶壁の岩肌すれすれに作られた木造の橋、
アルヒル桟道橋をこれまたノロノロと慎重に走り、目的地のタムクラセー駅に到着です。
ちなみに、この汽車の運賃は、タイ人の12バーツに対して、外国人は100バーツもします(笑)
タムクラセー駅からその線路を少し歩いて戻ると、大きな洞窟があるのですが、
中には大きな仏像が安置されており、洞窟はさらに奥にまで繋がっているようでした。
行ってみようかとも思いましたが、夕方近くで我々以外には誰も居ないようで、
そういえば洞窟の事故がこの前あったな、などと色々思い直し諦めました。
戦時中、この洞窟は日本軍の倉庫として使っていたそうです。
それにしてもここから見るクウェー川の景色は素晴らしかった。
今でも自然豊かなジャングルと川をとどめていて、かつて日本軍は何のためにここまでくる必要があったのだろうかと
思いを馳せずにはいられませんでした。
あたり前ではありますが「戦場にかける橋」は映画ですので、史実とはちょっと違っていました。
やはり実際に現地に来て、見て、初めて分かることは多いですね。
さて、今回の社員旅行ですが、やってみて本当に良かったと思いました。
会社の経営はよく航海に例えられます。
次の港に向けて全員で旅していく。
私自身も日本では会社を船に例えて、自身の思いを伝えることがありました。
社員旅行は、文字通り「旅」ですので、その目的地、行程、手段を社員たちが決めて、
決めた時間に集まり、同じ汽車に乗り、同じ食事をして目的地に向かうといった団体行動は、
会社の営みをみんなが体現するための良い機会だったのではないかと思うのです。
何よりも私が一番楽しかった。
帰り道、まだ、このままこの遠足(旅)が終わらないで欲しいという、
子供のころに感じたあの何とも言えない淋しさを思い出したほどでした(笑)
次回は、どこに連れて行ってくれるのか、今から楽しみで仕方ありません。