マーケティングで経営を変える
皆さんにとって「マーケティング」とは何でしょうか?
広告宣伝、販売促進、これらもマーケティングの一部ですが、本質ではありません。
マーケティングは米国で生まれた概念で、多くの著名な方々が様々な定義をしていますが、どれも共通して言えるのは「顧客視点」です。
ちなみに弊社では「マーケティングとは、顧客から選ばれるようになるための知恵と工夫」と言っています。
マーケティングは経営活動の中で重要な位置にあって、マーケティングこそが、ビジネスを成功するための方法論だと思うのです。
例えば、日本企業の多くは、営業部門の力だけで海外市場への進出が果たせると考えています。
しかし、現実を見ると、マーケティング部門と営業部門がしっかりと連携していなければ、海外市場での成功は難しいのではないでしょうか。
ビジネスで成功するためには、マーケティング思考によって考えられたマーケティング戦略が必要です。
マーケティング戦略の基本として「STP」とか「マーケティングミックス」などが良く知られるところですが、そのなかでも「STP」は大事な考え方だと思います。
STPとは、「セグメンテーション」「ターゲティング」「ポジショニング」を意味していて、マーケティング戦略を設計する上で大切なポイントです。
まず「セグメンテーション」とは、「市場を細分化する」ことです。
市場をひとつの塊として見てしまいがちですが、実際には様々なグループが集まって形成されています。
例えば美容業界においては、「スキンケアをしたい」「メイクアップをしたい」「カラダの内側から綺麗になりたい」など様々なニーズが入り混じっており、さらには年齢層や地域によっても購入の特徴は様々ですね。
市場全体を相手に製品やサービスを売ろうとしても、おそらく上手くいかないでしょう。
市場を細分化(セグメンテーション)して、適切なビジネススペースを決める、どこで戦うのか(目的)を決めることが最初のステップです。
次に「ターゲティング」ですが、市場を細分化してどこで戦うのかを決めたら、適切なターゲットとなるグループを決定します。
先ほどの美容業界を例にとると、「スキンケア」というビジネス領域で戦うことを決めたとして、そこにいるグループのニーズも様々です。「アンチエイジング」「サンスクリーン」「オーガニック」「富裕層」、最近は男性もスキンケアへの意識が高まっていますね。
こういったいくつかのグループの中からどこをターゲット(目標)とするのかを決めます。
これをターゲティングと言うそうです。
市場を細分化して、ターゲットグループを決定したら、「ユーザー(マインド)に、自社の製品やサービスのブランドをどのように位置付けたいのか」を明確にします。
美容業界を例にとると、「スキンケア」というビジネス領域で、「アンチエイジング」をターゲットグループに決めたとしたら、自社の何を売ろうとしているのか?どんな製品と感じてもらいたいのか?顧客のベネフィットは何か?などを決めます。
これを「ポジショニング」(戦略)と言います。
冒頭に、ビジネスで成功するためには、マーケティング思考によって考えられたマーケティング戦略が必要です、と書きました。
私たちは、とかくHow(戦術)から考えてしまいますが、戦術よりも先に戦略を明確にすることが大事だと思います。
その方が効率が良いからです。