2020.04.23

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COVID-19の中で注目を集めるタイのスマートソリューション

<COVID-19の中で注目を集めるタイのスマートソリューション>

今、世界はCOVID-19の脅威の前になす術もありません。リーマンショック以上のインパクトとも言われていますし、過去に行われた悲惨な戦争以上の異常事態とも言われています。

ここタイでも非常事態宣言が発令され、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、薬屋を除くすべての商業施設が閉鎖されてしまい、タイの経済はストップしてしまったかのように見えます。しかし、そのような中で新しいビジネスが生まれているのをご存知でしょうか?

今回は、アフターコロナの時代を視野に、タイで注目をされている新しいサービスをご紹介します。

COVID-19によって生活の行動範囲は大きく制限された

この状態がいつまで続くのか?あるいは、この生活が普通になっていくのかもしれません。そんな時代の中で、私たちの生活をより安全に、時間を節約し、便利で快適なものにしてくれる物流・移動サービスはとても重要です。

– SKOOTAR Applicationは、ウェブサイトからバンコク都内での様々な荷物を届けてくれるB2Cサービスです。いわゆる書類や集金といった配達業務だけでなく、フードデリバリーや郵便発送代行なども行い、顧客が集荷日時や配達日時を事前に設定することも可能です。また、オンラインショッピングサービスとのAPI連携もできるようですので、Eコマースビジネスベンダーにとってのパートナーにもなりそうです。

Shipyoursは、 オンラインで企業の倉庫管理サービスを提供するB2Bサービスです。集荷、梱包、発送をワンストップにサービス提供するだけでなく、リアルタイムに在庫確認ができたり、在庫切れなどのお知らせ機能もあります。過去の情報やよく売れる商品情報なども見ることができ、システム内のShipping Calculatorで輸送コストの比較もできます。また、Market Placeと繋いでいるオンライン倉庫とはAPI連携をしており、商品を保管する倉庫として常温室や冷蔵室をご利用頂くことができます。

– Claim Di は、自動車のアクシデントに対応してくれるサービスです。自動車事故発生時にモバイルアプリケーションによる保険申請サービスがあります。また、自動車修理工場を選んで予約することもでき、事故が起きたら、ボタンを押して知らせるだけで保険会社がGPSを使って位置を特定し、すぐにスタッフを派遣して車両移送をしてくれます。

– ViaBus Applicationは、路線バスの運行状況を提供するサービスです。GPSを使い、リアルタイムにバスの運行状況を地図上で確認することができます。バスの実際の位置を見ることができ、地図上には、バスの路線番号、経由路線、起点から終点までの距離、交通状況など様々な情報を確認することができます。目的地を入力すると、どのバスに乗ればよいのかも表示してくれます。交通渋滞の激しいバンコクではとても便利です。

COVID-19は、医療崩壊の危険性を示してくれた

病院に行かなくても、お医者さんのアシスタントとして情報を集めたり、お医者さんの代わりに患者さんのお世話をしたり、まるでお医者さんがいつもそばにいるようなメディカルサービスがあります。

– Yothi Medical Innovation Districtは、COVID-19の情報提供をしているサービスです。 医療の専門知識を集めた「Thai TeleHealth fights COVID-19」は、この危機的状況に適切に対応するための、正確なCOVID-19の感染拡大状況の情報を知らせるプラットフォームです。健康状態を確認するためのサポートや公衆衛生サービスに関する情報、感染拡大防止のためのWork from Homeを推進するための情報などがあります。Chatbotシステムを利用すると、必要な情報をすぐに教えてくれます。

– PharmaSafeは、安全に薬を使うためのコミュニティサービスです。 病院から処方された薬の情報と薬の使い方をスマートフォンに送ることができるモバイルアプリです。薬の誤飲を防ぐために薬の写真を撮り保管したり、時間になると薬を飲むように知らせてくれたり、通院の予約を知らせるシステムもあります。また薬の服用歴、過去から現在までの薬アレルギーを記録するシステムもあります。

– Dinsow Thailandは、 アルツハイマー患者を支援するロボットです。転倒など、危険なことが起きないようにいつも注意して見守ってくれます。緊急の場合には、救急車を呼ぶボタンがあり、自動的に地図を送ってくれます。また、時間になると薬を飲むようにお知らせをしたり、医者とビデオ電話をつないで病状を見てもらうこともできます。電話は自動で受け、画面を見ながら話せます。娯楽モードにすれば、ゲームをしたり、音楽を聴いたりすることもできます。

– Diamateは、糖尿病患者のための医療サービスです。糖尿病患者が在宅治療をする際の患者と医者とのコミュニケーションを支援するためのデジタルプラットフォームで、血液中の血糖値を記録して送り、問題があると、自己処置の対応方法と、薬の服用や注射のお知らせをしてくれます。また、病院の医療チームに相談するためのチャットシステムもあります。毎日の食事を記録すれば、モバイルアプリを通して栄養士がアドバイスもしてくれます。

COVID-19は、教育産業にも変革を促した

最後にオンライン学習サービスです。外出が難しい現在だけでなく、アフターコロナにおいてもオンライン学習というものはもっと一般的なものになっていくのではないでしょうか?今、急激に注目をされ始めたEducation Technologyをご紹介します。

– SkillLaneは、様々なオンライン学習コースを提供しており、ビジネス、マーケティング、ライフスタイル、アカデミックなど大学院課程も含む内容を学ぶことができます。また、教える知識のある人は、このプラットフォームを利用してオンラインコースを作ることもできます。

– Studyplanは、試験勉強の計画を立てるアプリです。モバイルアプリを使って、試験勉強の準備を立てることができるだけでなく、得意分野や苦手分野を把握して、練習問題を作り、詳細に解説してくれます。目標としている結果に向けた問題集と、そのために必要な期間をアドバイスしてくれます。

– Globishは、オンライン英語学習サービスです。特にビジネスに必要なコミュニケーションと仕事のための英語をリアルタイムで学べることが特徴です。プライベートレッスンかグループレッスンを選ぶことができます。

– FROG Geniusは、オンライン学習事業者向けのEラーニングのソリューションです。ライブストリーミングサービスを提供し、オンライン学習システムをワンストップで構築できます。Discussion Boardを通して質問に答えることができたり、学習の前後にひとりひとりに適したテストを作ることができます。また、生徒の情報をまとめ、学習統計を出すシステムがあります。

タイには、国としての支援プラットフォームがあることもあり、新しいデジタルビジネスが次々と立ち上がってきています。世の中には、COVID-19によって未来が見通せないという声もありますが、一方では、これを機会と捉えてアフターコロナに向けてチャレンジをしていこうという声もあります。「禍福は糾える縄の如し」という故事があります。予想もしなかったハプニングのせいで絶体絶命の危機に陥ったと思ったけど、これがきっかけとなって以前より事態が好転した、という教えだそうですが、まさに今のCOVID-19を絶体絶命の危機と考えるか、千載一遇のチャンスと考えるかで世の中は大きく変わりそうです。

アフターコロナに向けたタイのスマートソリューションの可能性を垣間見た一例です。