JRIT ICHIでは、6月30日にJRIT ICHI Special Webinarを開催し、「Smart Factory」をテーマに、製造業イノベーションについてご紹介をさせて頂きました。
今回は、Industrial Revolution(iRev)のシティポーン・ムアングラン氏をお招きして「スマートファクトリーはタイの製造業を変えられるか?」について語って頂きました。
また、ISID South East Asiaのジョー氏には、「IoTの活用による生産管理ソリューションの成功事例」についてご説明いただき、TOYOTA TSUSHO SYSTEMSのヨック氏には、「データ活用の統合プラットフォームでDXを加速させる」についてご説明いただきました。
ここでは、Industrial Revolutionのシティポーン氏のセッション内容をご紹介させて頂きます。
現在はデジタルトランスフォーメーションやIoT時代です。 それは2つのタイプに分けることができます。1つ目は生産性を高め、より良い顧客体験を生み出すデジタルビジネス最適化で、2つ目は ほとんどの組織ができる新しいビジネスモデルを作成するデジタルビジネストランスフォーメーションです。
市場競争力のある工場にする為には、スマートファクトリー化することが重要です。スマートファクトリーの利点は、同じ場所にいなくても相互にコミュニケーションが取れることです。決定要因、組織の各部分の効率を向上させることの1つです。ISA-95として知られている標準の層の最上位には、データを一元化し、タスクを簡素化するために使用されるシステムであるERP(エンタープライズリソースプランニング)がありますが、どんな商品を作っているかなどの機械に関連する情報はまだ不足しています。それらは、過去にはかなり高価だったリアルタイムデータです。しかし、最近では、デバイスやテクノロジーが安価になり、LANケーブルまたはワイヤレスを使用してデータを接続できるようになっています。これにより、リアルタイムで情報を取得できるようになっています。
インダストリー4.0でのフレームワークは次のとおりです。
1.デジタルツインとは、工場に行かなくても機械の生産性またはパフォーマンスの監視が可能になることを意味します。
2.製品ライフサイクルはエンドトゥエンドであり、納品プロセスまでのすべてのデータを確認できます。
3.データを即座に接続できることにより、データをリンクでき、組織全体に利益をもたらす利点があります。
組織の位置を次のスマートファクトリー6つのステップにより評価することができます。
- コンピュータ化
- 接続性 生産データをシステムにリンクさせること
- 可視化 見ることができる情報
- 透明性 優れた、正確性、信頼性のある情報
- 予測性 入手した情報を分析および改善するまたは他の有用なタスクを計画すること
- 適応性 人工知能のように商品のご注文・お届けのタイミングなど、お客様のニーズ及び製品を効果的に生産する方法を知ることができること
スマートファクトリーに重要な点は次のとおりです。
- 戦略目標
組織は経営幹部レベルによって推進されなければならず、戦略、目標、および目的は、ポリシー、文化、および投資に対しての重要な要素です。
- オペレーショナルエクセレンス
組織をより効率的にする
- 運用アーキテクチャ
ITとOTは相互にリンクする必要があります。
- ビジネスケースの開発
パイロットプロジェクトであるプロジェクトを選択します。
- ソリューションセレクション
組織で発生する成功を測定します
多くの組織のワークフローには4つの段階があり、最後の段階は最初から配信までの自動化です。 このパターンには 待ち時間なしですぐに要求できるという利点があります。これから最初の段階、つまり運用効率を説明します。そこには4つの主要なことに焦点を当てています。
1.顧客中心主義
顧客を中心と見なします。可能な限りお客様に満足していただく体験を生み出すために、受動的な体制から積極的な体制に変更
2.オペレーショナルエクセレンス
組織を効率化することはコストを管理するのに役立ち、利益をもたらします。
3.イノベーション
イノベーションを通じてコストを削減する新しい方法を考える必要があります。例えば、倉庫を無くしたりやジャストインタイムポリシーを導入したりすること。
4.敏捷性
生産機会を失わず完全な効率のマシンの使用と人員の効率を高めること。
スマートファクトリーへの進め方は、データをクラウドに送信するためにIoT(Industrial Internet of Thing)を導入することです。 さまざまな場所で工場の作業を監視することや生産または保守を連絡することができます。必要な機器は以下の通りです。
これらの機器からの情報はウェブデバイスやさまざまな電子デバイスを介してアクセスできます。情報を活用できるのは次の3つになります。
1.リアルタイムのOEEデータ分析と機械の全体的な効率測定
2.統合計画:製品タイプや生産数量などのERPからの情報を直接マシンに接続して計画どおりに機能できるようにする。
3.イベント通知:問題が発生した場合、システムが通知します。タイムリーに問題を解決するために関係者に情報を送信する。
インタストリー4.0を実現するためには、そこに関わる「人」が鍵となってきます。ひとりひとりが、社内のシステムの問題やそのための解決策などについて、当事者意識を持ち、情報共有がされていることが大事です。そして、問題解決の方法を顧客やパートナーから学び、それをデジタルですぐに実行してみることです。このようなプロセスが出来るようになってきたら、インダストリー4.0の領域になってきたと言えるでしょう。
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