タイで最初のオンラインイベントプラットフォームをリリースした「Zipevent」の夢
タイでイノベーティブな発想で新しいビジネスをスタートアップした起業家の方々をお招きして、彼らのビジネスへの熱い思いを語って頂く新しいコンテンツ「ICHI TALK」
モデレーター:本日のICHI TALKは、夢の実現に成功したZipeventプラットフォームのオーナーである新世代のエグゼクティブ、Zipevent Co., Ltd.のCEO兼共同創業者であるJay Paroj Densakulさんにお話しをお伺いします。
ジェイさんは子供の頃から「大人になったらどんなキャリアになりたいか」の夢がありましたか。人生の目標は何ですか?
ジェイさん:子供の頃から、自分の会社を立ち上げることに興味がありました。学生時代に、起業する方法を探し始めました。さらに、両親は私をよくイベントに連れて行ってくれました。その時、同じ興味を持つ人々が集まるということが、イベントの魅力であることに気がつきました。イベントでは、私が楽しく参加できるゲームやアクティビティがあります。成長するにつれて、面白いイベントがたくさんあるのを見つけ、よくイベントに行くようになりました。自分は、ビジネスとイベントの両方に情熱を持っていると言っても過言ではありません。
モデレーター:年齢に応じて遊ぶことを楽しんでいる子供は多いと思います。 しかし、ジェイさんはビジネスマンになりたいという考えを持っていたということでしょうか?
ジェイさん:はい、幼い頃から新しいことを模索し、投資に興味を持っていました。それにより、お金を運用してビジネスを運営する方法に興味がありました。 または、従業員などのリソースを活用してビジネスをより簡単に運営できる起業家になりたいと思いました。会社の利益を更に投資に回して、ビジネスを拡大し続けることもできます。
モデレーター:幼い頃になにかを販売することはありましたか?
ジェイさん:はい、私は実際にゲームをやるのが好きなので、一部のゲームアイテムを取引することがありました。
モデレーター:年齢や経験の少ないことが青年実業家になるのに何か障害はありましたか?
ジェイさん:一番の障害は、若いので知識や経験があまりなかったということです。持っているリソースをどのように使って収益を生み出せるのかが分からなかったです。結局、子供の頃にやったことは継続性がないので、その時に終わってしまいました。しかし、それは現在のビジネスのZipeventに活かせた良い経験と学習ポイントでした。
モデレーター:大学に入るとき インダストリアルエンジニアリングを選んだ理由は何でしたか?
ジェイさん:私はエンジニアリングや数学、マネジメントが好きです。子供の頃から情熱を持っていたので、工学と経営の2つの科学を組み合わせたインダストリアルエンジニアリングを選びました。そしてもう一つの面白い点はビジネスの前進を支援する、障害を克服することに重要である最適化、プロセス、および改善を集中しようとしていることです。大変な状況に遭遇し、適応することができれば、会社は先に進むことができます。
モデレーター:卒業後、会社員として働いていましたか? それともイベント業界に飛び込んでいきましたか?
ジェイさん:私はSCGでITエンジニアとして働いていました。輸送管理システムやさまざまな改善システムなど、SCGのさまざまなプロジェクトで調整を行っていました。ここではITの活用することで、ビジネスの作業システムの改善に取り組み、多くの売上げと顧客満足度を得ることが出来ました。
モデレーター:4年間、経験を積んだそうですね?
ジェイさん:はい、合計で4年間働きました。4年目になると、友達と集まってスタートアッププロジェクトに参加しました。 イベントを作成および管理することにはイベントに関連するアイデアをプラットフォームとして取り入れ始めました。
モデレーター:子供の頃から夢見ていた起業をするためのパートナーを見つけるためにはどのような条件が必要ですか?
ジェイさん:私の最初の共同創業者は互いに補完し合っていました。僕はビジネスが得意で、プログラミングや工学の知識が少しあります。しかし、最初のパートナーは、プログラム開発やコーディングが不足していたため、その部分をサポートしました。パートナーの得意分野をお互いに活用し、一緒に障害を乗り越える準備ができ、情熱を持つことが出来る人です。
モデレーター:どうやって情熱を見つけるのですか?そして、それをどのように活用してビジネスを推進するのですか?
ジェイさん:飽きることなく楽しんでできることを見つけなければなりません。僕の場合はイベントに行くことです。情熱をビジネスに変えるのはもっと重要です。情熱を持っていても、得意ではない、お金を稼ぐことができないなら、ビジネスの可能性のある情熱ではありません。情熱とその情熱から生まれるビジネスモデルで構成されている必要があります。
モデレーター:スタートアップは弱点を見つけることができた結果だと言われています。その弱点を克服してビジネスとして結果を出さなければなりません。そのための充分な資金を持たなければなりません。業界の中で弱点を克服し、Zipeventをビジネスとして大きくする自信があったのですか?
ジェイさん:最初はあまり自信がありませんでした。イベントの開催に関しては、主催者、参加者、ブースを設置する企業など、多くの方々で構成されています。当時、このようなあらゆるイベント関係を集めるウェブサイトやプラットフォームはありませんでした。出展社側の弱点を把握して、すべてのイベントが集まる場所になるZipeventを立ち上げました。その後、主催者の弱点をフォーカスしました。より直接的に宣伝する方法、登録情報の集計またはチケットをより早く販売する方法、イベントに入るまでの時間を早くすることによりイベント業界には弱点がたくさんあります。私たちはその部分の開発を支援することができます。
モデレーター: Zipeventを介してイベントにアクセスできたら、簡単で便利ですね。すべての弱点を修正できましたか?
ジェイさん:多分それほどではありませんが、顧客を中心して開発しようとしています。顧客ができるだけ簡単に利用できるようにしたいと思います。そして、イベントに参加する方々は年齢を問わず子供からお年寄りまでのユーザーがいることにより、簡単に使用できるプラットフォームを設計して、可能な限りシームレスの状態を作るのが重要です。
モデレーター:スタートアップの多くの人は成功の可能性は低くて、失敗する可能性が高いと言われています。しかし、成功した人もほとんど失敗を経験するがあります。しかし、ジェイさんはそれを信じず異なる信念を持っています。その違いは何ですか?
ジェイさん:よく目にするスタートアップは、おそらく資金調達や大規模なユーザーベースの構築に重点を置いています。しかし、僕はビジネスを行うための基本であるキャッシュフロー、収入、利益に焦点を合わせたかったのです。膨大な数のユーザーがいてもビジネスが利益や顧客からの収益で単独で成長または運営することはできなかったら、持続可能ではありません。そのため、まずは会社の基盤を強固にすることに注力していて、強くなり、製品を持っており、サービスを継続的に使用する顧客がいたら、徐々に拡大と成長に焦点を当てます。
モデレーター:ゆっくりで着実な成長することで信頼が生まれ、資金調達をすることができます。Zipeventを立ち上げた時点に他のプレイヤーがいなかったですね。タイ初とも言えます。反応はどうでしたか?
ジェイさん: 2014年当時は比較的新しいものでした。イベント業界の観点からテクノロジーの使用に対してはまだ初心者でした。当初、製品を説明することはかなり大変でした。今まで誰も経験したことがなかったので、このシステムがどこで役立つのかをお客様が分からなかったのです。その懸念を解決するため、試用版をお客様に無料で提供しました。最初のイベントは金融に関連する大きなイベントでした。顧客や管理者のフィードバックを把握して、さらなる改良のため、情報を収集し、蓄積します。実績が出始めるとより大きな依頼を受け、実際に利用料を払う顧客が登場しました。
モデレーター:2014年から現在まで様々な障害を乗り越えて来たと思いますが。深刻な問題に遭遇し、調整が必要になったことがありますか?また、それはどのように解決しましたか。
ジェイさん:直近の問題は、すべての起業家が直面しているCOVID-19です。イベントのシステムなので、COVID-19があると人が集まれずイベントが開催できません。つまり、年に何千、何万ものイベントがすべて消えてしまいました。最初に行った事業は、オフラインイベントソリューションです。そこで、スタッフのスキル化と、オンラインおよびバーチャルイベントの管理に関するための製品の大幅な調整を行いました。これらは、イベントの主催者側などのニーズを満たします。この危機を乗り切るためにみんなで対応しようとしています。
モデレーター:オフラインイベントは、ニューノーマルの時代の変化に対応していかなければなりません。つまり、私たちが話しているようにオンラインでも様々なイベントに参加できるようになるということですね。
ジェイさん:もちろんです。オンラインまたはバーチャルにすることには、多くの利点があります。元のイベントは会場のスペースによって参加する人数が限られているのは一つ目です。 二つ目は時間の制限についてです。営業時間内のみイベントに来場でき、移動も問題になります。しかし、すべてがバーチャルまたはオンラインに移行すると、海外に住む人や夜に見学する人がいつでもどこからでもイベントに参加できます。主催者側はもちろん、通常、イベントにいる人たちは誰と話すのかまたは何の商品に興味を持つのか全然わかりません。しかし、すべてがオンライン上になると、すべてを追跡して知ることができます。例えば、顧客が最も興味を持っている会社は何の会社か、一番見る製品はどれかを確認することができます。これらのデータを活かして、自分のサービスを分析および開発することができるので、主催者にとっては役立つ情報です。
モデレーター:もう少し教えて頂きたいのですが、今、ICHI TALKで話しているのはJRIT ICHIの事例についてですよね?これまでの過程について教えてほしいです。
ジェイさん:JRIT ICHIには、ウェビナーゾーンや展示ゾーンなどがあります。皆さんがご覧いただいているような状態になるまでは様々なシステムが裏で用意されていますので、準備に時間はかなり掛かります。また、それだけでなく、このイベントには興味深い動画やコンテンツがあります。バーチャルでイベントを行いますが、実際のイベントに行くと同じような雰囲気なので、是非、体験してみてくだ
モデレーター:「たとえ創業者であっても、ずっと学び続けなければならない」という考え方があると聞きましたが、この言葉は何を意味していますか?起業家はこの考え方をどう思いますか?
ジェイさん:常に自分自身で学ぼうとし、成長しようとしている起業家は変化に適応し、考え、そして前に踏み出そうとすることは重要なことです。一年前の技術やスキルは、次の年はあまり使われないかもしれません。たとえば、僕のチームはオフラインイベントに取り組んでいます。しかし、プラットフォームがオンラインに移行したとき、誰もライブストリーミングを行ったことがありませんでした。オンラインのさまざまなシステムを使用しなければならない私たちはそれを学び、変化に適応しなければなりません。これらは、起業家が持っていなければならない資質です。将来、社会の変化やパンデミックの発生を予測することはできないので、ビジネスを存続させるためにどのように学び、変化に対応していけるかだと思います。
モデレーター:ビジネスであろうと人生であろうと、努力して変化に対応する人だけが生き残っていけますね?
ジェイさん:その通りです。
モデレーター:COVID-19の悲惨な危機にもかかわらずZipeventは常に新しいビジネスを拡大しています。海外にも拡大すると聞いています。
ジェイさん:はい、タイの顧客に加えて、シンガポール、インド、アメリカなど、僕たちのオンライン上のプラットフォームを使用する他の国からの顧客もいます。地域や言語、時間の壁はありません。お客様は当社のプラットフォームを使用して海外からのイベントも開催できます。これは、追加投資を必要とせずに海外への進出を可能にするメリットと考えられます。
モデレーター: Zipeventのチームには、若いスタッフが多いのですか?
ジェイさん:たぶん僕が会社で一番年上です。ほとんどは新卒者で、または4〜5年の経験者です。
モデレーター:現代の若者といっしょに働く利点は何ですか?
ジェイさん:この世代の利点は、彼らが携帯電話、コンピューター、そしてグーグルに育てられたので、学ぶのがとても早いです。何かを知りたいときは検索したり、自分でスキルアップしたりします。または、依頼された案件を一生懸命に取り組み、綺麗に仕上げます。新しい世代の特徴は最善を尽くすことです。
モデレーター:新しい世代の人と働く場合は、心を開いて意見を聞いたり、議論に参加したりすることは組織の利点になるでしょうね。
ジェイさん:はい、私は各チームに役割を与えようとしています。自分の意見を持って、システムまたは機能の改善を提供したかったら、大歓迎です。僕が好きな日本語の言葉は「カイゼン」です。スタッフの協力を得て、すべての部分を少しずつ改善することになります。
モデレーター:Zipeventに対する満足度はどれくらいですか?そして、どのように将来の目標を設定しますか?
ジェイさん:今はとても満足しています。僕たちはある程度成長して、積極的に利用しているユーザー層はかなりあります。将来的には、タイのお客様だけでなく、海外にも市場を拡大していきたいと考えています。またはサービスと製品を拡張してイベント業界をよりカバーできることを目標しています。
モデレーター:起業家の新しいスタートアップに力を与え、事業を存続させうまくいくためのアドバイスをもらえますか。
ジェイさん:今は励ましが一番大事だと思います。現在の状況を無事に乗り越えられると祈っています。考えや行動を状況に合わせたり、新しいことを学んだり、今は無いけど、将来に必要なことを探ります。その目標を達成するために私が言ったように、励ましは常になければなりません。励ましだけでなく、情熱も必要です。またはチームメンバーや社内のスタッフとコミュニケーションを取り、ひとりひとりが情熱を持って、「何のためにやっているのか」「何のために生まれたのか」「何のために生きているのか」を考える必要があるでしょう。
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