【ICHI Days】
Rettyがタイでビジネスを加速させる「コミュニティマーケティング」とは
Bigbeat Bangkokは、DigiTech ASEAN Thailandとの共催で「ICHI Days」を3日間開催しました。Day-3のKeynoteでは、Retty ThailandのPemikaさんをお招きして、彼らがタイで取り組む「コミュニティマーケティング」についてお話しをお伺いしましたので、ご紹介をします。
モデレーター:こんにちは、ICHI Daysへようこそ。モデレーターのAkiと申します。今日は、Retty Inc.のコミュニティマネージャーであるPemikaさんをセッションにお招きいたしました。 まずは、自己紹介をお願いしたいと思います。
Pemikaさん:こんにちは、Pemika Jongjamfaです。現在、Rettyは設立してから4年目になりました。製品およびコミュニティのマネージャーを務めています。
モデレーター:Rettyとはどのような会社で、どのようなサービスを提供していますか?
Pemikaさん:Rettyはフードレビューアプリです。 自分が他の人に好きな店を推薦することをメインとしています。 名前、場所、食べ物の種類で検索して行きたいレストランや近所のレストランを探すことができます。
モデレーター:日本では、すでに多くの人がRettyを活用しています。 タイに進出して4年になりましたが、社内のコミュニティはどのような人が働いているのですか?
Pemikaさん:Rettyのスタッフのほとんどは若者で、ほとんどは新卒者です。 平均年齢は30歳未満です。アプリケーションをやっている会社として、新鮮でアクセスしやすいと感じている新世代のアイデアが欲しいのです。 私たちはコミュニティを持っているため、若者はすべての世代の人々にアプローチするのがより容易です。
モデレーター:Rettyのシステムがどのようなものか、どのように稼働しているかを教えていただけますか?
Pemikaさん:Retty タイランドには部門は多くはありません。 マーケティング部門、飲食店の情報を管理する部門があります。私たちはフラットな組織となり、 同等の議決権を持っています。 企業文化のコアバリューは、ユーザーを幸せにすることです。 そのため、長く働いている方や、上のポジションであったりすることは決定には関係はありません。誰もがブレインストーミングを行い、お互いに助け合います。
モデレーター:近年のテクノロジー企業もフラットの形でもありますね。今までの4年間の仕事はどうでしたか?難しかったですか?
Pemikaさん:最初は難しかったです。Rettyのコンセプトは説明を聞いても一部だけ理解できるというものだからです。それをすべて理解するには非常に時間がかかります。ここで働くには、本当にすべてを理解する必要があります。自分でも全体のコンセプトを理解するのに少し時間がかかりました。それだけでなく、多くのユーザーが理解できるようにコミュニケーションをとる必要があるため非常に難しいです。レビューアプリといえば、どこにでもあることですが、深いコンセプトを持つRettyは他のアプリとは異なります。ですから、時間をかけて説明する必要があります。とてもやりがいがあります。MDと話をした4-5年前はコミュニティを構築しようと思っていました。当時、タイ人の食スタイルはこれほど多様ではありませんでした。ですから、飲食に関するビジネスにタイに進出したかったら、タイ人の食スタイルを変えることから始めます。ソーシャルメディアなどを通じて、タイの人々がさまざまな国籍の食べ物に対してよりオープンになるようにすることです。Rettyとして一番誇りを持つことは、タイの人々がインド料理に対してよりオープンになることだと思います。また、COVID-19の発生前のRettyのコミュニティはオフラインでしたが、パンデミックが発生すると、オンラインに切り替えするようにしました。
モデレーター:Rettyはユニークですね。直接的、あるいは間接的な競合企業が誰か教えていただけますか?
Pemikaさん:直接的な場合は食品レビューアプリです。 間接的にはソーシャルメディアのページです。ただ、競合相手とは言い切れません。競合相手でもあって、私たちのユーザーでもあります。
モデレーター:多くの人にとって、Rettyは普通のレビューアプリですが、違うところがありますね。 その違いはどう説明をしたら理解できますか?
Pemikaさん:主な違いは2つあります。1つ目はお薦めのみに焦点を当てています。 味が良くない、また不評なレストランを見つけてもらいたくないからです。2つ目は、強いコミュニティです。 私たちのコミュニティの規模は大きくなく、約100〜150人であり、当初からコミュニティに入ってくれた人たちは、いまだにそこにいてくれています。
モデレーター:コミュニティにもっと多くの人が入ってくると、何か変える必要がありますか?
Pemikaさん:これは、私たちがより多くの人を獲得した場合にどのように行動しなければならないかについて、最初にチームと話していた課題です。現在、月間100万人のアクティブユーザーがいますが、コミュニティでは何も変わっていません。他のコミュニティと同じ方向に向かえば、それは機能しません。そして、私たちのコンセプトは、ユーザーを幸せにすることです。ですから、ユーザーが満足しているかどうかを常に考えています。つまり、私たちに毎回フィードバックをしてくれるコミュニティは、Rettyが毎年成長するための家族のようなものです。
モデレーター:私たちの違いは 変更しないことですね。パンデミックが発生する前は、対面の活動がありましたが、パンデミック後は、何の活動もしていないと仰っていましたね。 その代わりに何をされていますか?
Pemikaさん:このパンデミックは、みんなに衝撃を与えました。Rettyもそうです。ロックダウンで人々は外食することができないため、ダイレクトに影響を受けました。これはサービスプロバイダーだけでなく、ユーザー自身も混乱していました。したがって、コンテンツやアプリケーションの機能をアジャストする必要があります。過去には完全にオフラインだったから、オンラインでのやり方を考えなければなりません。一緒に外食できないので、一緒にオンラインで食事をすることに切り替えました。みんなのおすすめレストランをチームがランダムに選び、みんなに届けられます。何がもらえるかわからなく、また誰がおすすめしたかもわからないのです。
モデレーター:Rettyで働いて以来、最も困難な挑戦はなんだったですか?
Pemikaさん:この4年間、私はあらゆる段階で挑戦してきました。もちろん、パンデミックは私たちの数字について影響を与えました。最初からタイに足を踏み入れた時に最も難しいのはモチベーションを維持することです。先ほどお話したように、私たちのコンセプトを理解するのに時間がかかるので、このようなビジネスのコンセプトは、日本的すぎるからタイで事業を展開することが難しいという多くのフィードバックがありました。私たちは当初のビジョンと目的を忘れずに、ユーザーに話し、理解してもらっています。
モデレーター:機能と使いやすさの点でRettyは他のアプリとどのように違うと思いますか?
Pemikaさん:私たちのコンセプトは、レストランを探すことや独自のリストとして保持することもできる他のアプリと同じです。しかし、私が言ったように、私たちはコミュニティにフォーカスしているため、アプリでコミュニティ化しています。私たちのアプリには、イベントと呼ばれる機能があります。パンデミック前にみんながイベントを作成できます。たとえば、10人前のブータン料理を食べたいときは、アプリでイベントを設定して友達を探すことができ、一緒に食べることができます。Rettyのユーザーは店でやりたいことをすべて試してみたい人です。人が少なければ全部食べられないでしょう。 パンデミックの前には、RettyツアーとRettyナイトがありました。
モデレーター:食べるのが好きな人に会えるので、食品愛好家がこのプラットフォームにいるべきだと思います。進出当初から4年間Rettyで働いてきた理由は何ですか?
Pemikaさん:当時は、あまり考えていませんでした。日本人のMDは、信頼がある人です。一緒に働きたくなるようなエネルギーがあります。Rettyのコンセプトも可愛くて、ゼロから成功までやりとげたいのです。成功のプロセスを見たいから、Rettyはそれをかなえられます。私たちのサービスは日本と同じでしたが、マーケティングとユーザーを見つける方法は少し異なります。日本人はタイ人のようにソーシャルメディアを使うことはあまりないからです。そして、タイ自体はFacebookをメインチャンネルとして使用しています。当初は、私たちもお互いに理解しなければなりませんでした。日本とは全然違う部分もあります。
モデレーター:就職では大きな企業も多くあったかと思いますが、 なぜ小さな会社であるRettyに決めた理由は何ですか?
Pemikaさん:実は先輩の推薦で入社しました。その時は入社せず手伝っただけです。しばらくしてMDから正社員になって欲しいと誘われました。個人的には、スタートアップで働きたかったのです。
モデレーター:Rettyで働いて、どんな満足をしていますか?
Pemikaさん:私は、チーム、レストラン、ユーザーの3つの主要なグループと協力する必要があります。顧客を幸せにするというRettyのコンセプトを理解しているチームなので、全員がうまく協力していることです。私自身は、コミュニティが人気になることを望んでいます。それは多くの利点があるからです。すべてのRettyスタッフはユーザーに会って雰囲気を感じる必要があります。誰が働いているか、顧客は誰か、製品についてどう思うか、知るために連れていきました。それにより、どこをより良く開発しなければならないかを理解できるでしょう。すべての企業が顧客ペルソナデータを持っていると信じています。私たちのスタッフが顧客との距離が近ければ、詳細なペルソナを取得できるので、ペルソナデータすら必要ありません。次は飲食店です。飲食店をやっている方々はとても親切でした。パンデミックの間、飲食店の状況は私たちより悪かったですが、私たちのコロナウイルス感染者に寄付するために食料品を持ってくるキャンペーンなどをサポートしてくれました。助けが必要なとき、彼らはいつでも手伝ってくれました。そして、私たちを最高に感じさせるのはユーザーです。みんなは家族の一員のような存在を持っています。私たちが間違えた日、彼らは私たちにアドバイスできる人でした。私たち企業として知っておくべきことは、お客様のニーズです。私たちは顧客からもっとヒアリングした方がいいと思います。
モデレーター:Rettyの将来をどのように計画していますか?
Pemikaさん:私が一番やりたいのは、もう一度ユーザーに会うことです。ユーザーは会うことを常に希望していますが、私たちが感染のことを心配しているため、まだ会うことを躊躇しています。サービスも成長させ続けたいと考えています。たとえば、今では100万人になしましたが、500万人、1,000万人を獲得したいと考えています。そして、アプリケーションを開発して、誰にとってもより大きく、より快適なコミュニティになります。最後に、コミュニティにいるユーザーのことをもっと知ってもらいたいです。
モデレーター:最後にみんなさんにメッセージをお願いします。
Pemikaさん:今日は、コミュニティについてお話したため、コミュニティについてのメッセージを送りたいと思います。コミュニティはテクノロジーだけである必要がなくどんな製品でもできます。コミュニティはユーザーに何かを売ろうとしたことではありません。コミュニティ形成を考えているなら、あなたが最初にやるべきことは、まず聞いて対応することです。その後、きっと私たちは大きな利益を得られます。聞く事は、私たちのコミュニティがどの方向に進んでいるのかがわかります。なぜなら、それらの顧客やユーザーが私たちに何をすべきかを教えてくれるからです。
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