2023.05.29

ICHI

タイのスタートアップの可能性について

ASEAN地域では、Grab(シンガポール)、Gojek(インドネシア)、Shopee(シンガポール)といった多くのスタートアップが成功しています。
同様にタイのスタートアップ・エコシステムも急速に成長しており、今後もさらに発展が期待されます。例えば、タイの高等教育科学研究イノベーション省の下部組織であるNIA(National Innovation Agency)は、タイのスタートアップ・エコシステムを支援する機関として様々な施策とプロモーションを展開しています。政府は、タイを「デジタル・ハブ」にすることを目指しており、スタートアップを支援するための政策やプログラムを導入しています。また、民間レベルでも、Techsauce Mediaが、タイ・ASEANのスタートアップを支援するためのメディアとして、スタートアップとデジタルテクノロジーに関するコンテンツの発信をするだけでなく、Techsauce Global Summit(TSGS)というイベントを主催してスタートアップのコミュニティを形成しています。
そこで今回は、近年、注目を集めるタイのスタートアップの可能性についていくつかご紹介してみたいと思います。

政府の支援によるインフラ整備が進んでいる

タイ政府は、「Thailand 4.0」という国家戦略に基づき、デジタル経済においてインフラストラクチャーの整備を進めています。高速インターネット環境、クラウドサービス、ビッグデータ、AI、IoTなどの最新技術を活用し、スタートアップ企業が開発しやすい環境を整備しています。例えば、スタートアップには、税金優遇やビザの簡略化などが提供されています。また、国内外の投資家にも、タイのスタートアップに投資するためのインセンティブを提供しています。

資金調達環境が整備されている

タイのスタートアップは、多くの資金調達の機会に恵まれています。政府主導の資金調達プログラム、VC、アクセラレーター、エンジェル投資家、クラウドファンディングなど、様々な手段があります。また、タイ国内の財閥系大企業を中心に積極的にスタートアップに投資しており、その支援体制が整備されてきています。

消費者市場が大きい

タイは人口約7000万人の国であり、インターネット普及率も高いため、多くのスタートアップが、この大きな市場を狙うことができます。また、タイの消費者市場は、国内外の企業にとっても非常に魅力的な市場となっており、スタートアップもその好機を狙っています。

地理的な優位性

タイはASEANの中心に位置しており、ASEAN市場は人口6億人を超えるため、多くのビジネス機会があります。また、タイは中国とインドの重要な貿易パートナーでもあり、タイのスタートアップはこれらの市場への進出にも取り組むことができます。

質の高い人材

タイの多くの大学では、起業家育成のためのプログラムやコースが設けられており、学生たちはビジネスプランの作成や起業家精神を学ぶことができます。そのため、タイの若者の起業家精神が高まっていると言えます。タイのスタートアップは、こうした優秀な人材を活用して、ビジネスの成長を加速することができます。

以上のような要因から、タイのスタートアップのポテンシャルは非常に高いと考えられます。タイは、ASEAN市場の中心に位置し、政府はスタートアップを積極的に支援しています。また、デジタルインフラや人材なども充実してきており、これらの要素が集まることで、タイのスタートアップは今後もさらに発展していくことが期待されます。

次回は、「タイのスタートアップが直面しているいくつかの課題」についてご紹介します。
タイのスタートアップについてもっと知りたい方は、以下の「Get in touch」よりお気軽にお問い合わせください。