2025.03.17

ICHI

【ICHI TALK (moreloop)】 循環型経済をコンセプトにした環境スタートアップ

循環経済をコンセプトにした環境スタートアップ

モデレーター: 今日は、Moreloopの共同創業者であるPon Amornphon Huwananさんとのお話を通して、余剰の資源を効率的に使用する方法というサーキュラー エコノミー(循環型経済)の概念を理解できるようになりたいと思います。まずはPonさんからMoreloopについて教えて頂きたくお願いします。

 

Ponさん: Moreloop は、多くの工場から集めた余剰生地を取引するためのオンライン プラットフォームであり、独自の生地を持たない生地市場になっています。サーキュラー エコノミーのコンセプトで使用されていない生地を最大限に活用することです。

 

モデレーター:各工場の古布は、消費者のニーズにどのように応えられるのでしょうか? 購入者は、何に使うでしょうか?

 

Ponさん:多くの人は、工場から出る生地は端切れのようなものだろうと思っています。しかし、実際には、OEM工場のオーダーメイドに対する布の数はぴったりとした量で発注することはできないため、オーダーごとに発注される生地である予備の部分が約3〜5%です。したがって、輸出できるぐらいの高品質であり、30キロから100キロの大きいな量であるこれらの生地は再販することが出来るのではないかと考えました。

 

モデレーター: オンラインプラットフォームでの古布の販売はタイ市場にとって非常に新しいものですので、その成功について教えてください。

 

Ponさん:オフラインであろうとオンラインであろうと、市場の成功といえば、売りに来る人もいれば買う人もいるということです。市場を所有している私たちの成功は売り手が売ることができ、買い手が自分の好きなものを見つけて、それを最大限に活用できることです。市場の所有者は、それらの取引を通じて利益を上げます。もちろん、成功には多くのステップがあります。最初のステップは、多くの工場からの生地をプラットフォームに持ち込むことができたことで、今までに70人の売り手を持ち、プラットフォーム上には約 100万ヤードの生地、3,000種類の生地があります。Moreloopはそのニーズに合った生地を使用し、品質が良く、価格もリーズナブルです。 Moreloop の収入は 3つの方法に分けられます。

1.布を布として販売

2.各種団体へのユニフォーム用生地の販売

3.Moreloopブランドという自分のブランドを作る

したがって、大規模なネットワークを持つことで、生地や生地製品に関することを全て対応することができます。

 

モデレーター:ビジネスモデルとしてのサーキュラーエコノミーのコンセプトは何を意味していますか?

 

Ponさん: サーキュラー エコノミーという言葉は 2013 年に誕生しました。3R (Reuse, Recycle, Reduce) などのアクションの観点から主に語られています。これらのアイデアは、エレン・マキャザーさんから生まれました。これらは行為というより概念なので、サーキュラー エコノミーの核心にこの言葉が使われています。現在の世界経済とは、採掘、生産、使用、廃棄という線形経済であり、あらゆるプロセスで問題を引き起こしていると言えます。リソースの使用、二酸化炭素の発生、ゴミなどもたくさん出ているため、捨てようとしているものをリサイクルすることができたら良いと思っていました。そうすることで、発展とともに持続性につながることができるでしょう。

 

モデレーター: このコンセプトをMoreloopでのビジネスに適用するのは何ですか?

 

Ponさん: Moreloop は、Pain と Passion のモデルである2人の共同創設者から生まれました。私は変化を生み出すという情熱に興味を持っていました。サーキュラー エコノミーを現実のビジネスにする巨大なペンポイントを解決する私は子供の頃からこれに注意を払ってきたと言わざるを得ません。ビニール袋が分解するのに500年かかることを知ったので、その時、私はビニール袋を受け入れないことにしました。しかし、リサイクルがあるのに、なぜこれらの廃棄物の問題がまだ存在しているのかについての疑問をずっと持っておりました。リサイクルできる廃棄物は 9% だけで、残りの 91%は使い捨てであることがわかったことにより、「残り物を市場に変え、最大の使用を引き起こす」というコアアイデアが出ました。業界の残り物は、オンラインプラットフォームでの販売に適しているというアイデアが思いつきました。生地産業の残り物は非常に大きいため、ビジネスとして使用するのに十分なペインポイントになります。

 

モデレーター:ホームページで販売している布は、かなりゴミを減らせると聞きました。それは本当ですか?

 

Ponさん: はい、余った布はゴミになります。この布を廃棄、または再販できることがわかりました。たとえば、先月は約40,000キロの生地、つまり約150,000ヤードを使い直すことができました。

 

モデレーター:「リーンスタートアップ」が他のスタートアップとどう違いますか?

 

Ponさん: 「リーン」と「スタートアップ」という言葉はよく一緒に使われます。スタートアップとは、違いを生み、革新的なプロセスを通じて、そのギャップをすばやく埋めることができるために大きなペインポイントを修正する何かを作成することです。「リーン スタートアップ」とは、スタートアップの作成において、各テスト プロセスのコストを最小限に抑える方法です。現在のほとんどのアイデアはデジタルなので、予算をある程度節約できます。何か新しいことを行うには、それを科学的に検討する必要があります。たとえば、ウェブサイトの制作費は、人を雇うと300万バーツですが、パッケージコードを購入し、少し編集してもらうと、数十万バーツになります。また、Squarespace、Shoppifyなどの独自のeコマースプラットフォームを構築できる仲介プラットフォームで自社のサイトを作るなら、月額 30 ドルかかります。お話した方法を全て調べてみて、一番安いものを選びました。これらは、コストを削減する無駄のないプロセスです。それだけでなく、私たちがより創造的になることには利点があります。あまり予算がないため、最も安価な方法を探すとのことです。ソリューションは一度実行する必要に限らないので、少しずつ探しもまだ大丈夫そうですね。

 

モデレーター:過去に遭遇した問題と問題解決方法について教えてください。

 

Ponさん: これまでに遭遇したすべての問題を考えてみると、将来、さらに多くの問題に直面することは確実です。特に成長していくこの業種を行う上で、成長の各段階で問題は異なります。私の遭遇した大きな問題は製品をリリースするときでした。2018年半ばに商品をリリースしましたが、その年は600キロの生地しか売れず、収入が妥当ではありませんでした。当時はまだ商品を作る収入がなく、諦めかけていました。その時の経験で、タイミングと待つことを学びました。一部のアイデアやビジネス、特に新しいアイデアは成長するのに時間がかかります。2019年には会社や機関のためにオーダーメイドの商品を作って提供することを把握できて、Moreloopの主な収入になりました。これらの経験から、情熱だけでは十分ではなく、我慢することも必要だと気付きました。もう 1つの問題はコミュニケーションでした。私たちのコンセプトには、サーキュラー エコノミー、廃布、オンライン マーケットプレイス、二酸化炭素削減が含まれているため、可能な限りシンプルに説明しようとしてもかなりの時間がかかって簡単にできることではありません。新しいコンセプトやアイデアを売り込むことは、私たちにとってもう1つのチャレンジです。良い点は、これらがストーリーやアイデアを持っていることで、記事にしたいという人がいました。その結果、無料でメディアにスペースを確保できました。また、重要な問題といえば、それは新型コロナウイルスは蔓延している時でした。全員が在宅勤務だったため、服の生産は中止されました。その代わりにMoreloopのマスク、自宅で着るのに快適な T シャツ、B2C 製品の生産などに進んでいきました。確かに、B2Cの販売は在庫からのリスクが高いですが、当時は商品もある程度売れていたし、会社自体もかなりリーン(無駄のない)していて、人も少なかったので、危機を脱することができました。現在、私たちの主な収入は、システムに余っている布地からのユニフォーム、マスク、その他の組織向けの製品の生産であるB2Bです。

 

モデレーター: マーケティング戦略についてですが、広報活動向けの記事以外はどのようにマーケティングを行っていますか?

 

Ponさん: マーケティング向けの明確な予算はありません。1つには、発注数に対応できる稼働が分からないため、アクティブマーケッティングを実施していません。ほとんどはパッシブマーケティングの口コミの方法で行われています。生産する余分な生地を取り、それを走行距離と比較して二酸化炭素で計算することは自社の認知度が高まったことの一つです。これらは、B2B 向けと自社ブランド向けの両方の製品に入れておきます。それだけでなく、ディフェクトが発生した場合はいつでも連絡できるようにします。他には、FacebookなどのSNSを使用することになります。また、私たちのことをよりよく知ってもらうために、あまり一般には思いつかないことをすることです。たとえば、このシャツが二酸化炭素排出量の削減にどのように役立つかなどに興味を持つでしょう。ストーリーや環境に良い製品について話し、共有する、環境に関心のある人々の小さなネットワークを持っているので、このチャンネルでも広告することができます。

 

モデレーター: Moreloopの将来の目標は何ですか?

 

Ponさん: 今後4~5年以内に、生地市場を現在の4~5倍に拡大したいと考えています。もう1つは、生地を購入客は国内だけに限らないことです。また、発展途上国から先進国に大規模に輸出されていると考えられています。ファブリックだけでなく、ジッパー、ボタンなど、使用できる多くのファッション業界に深く入り込むことも含まれます。思い通りにできればデジタル プラットフォームを通じてファッション業界を効果的に管理できれば、将来的には、このアイデアを他の業界でもさらに発展させることができます。2024年の短期目標を見ると、カーボン削減するもしくは100万キロの新しい生地を使わないようにすることを目指しています。現在、約60万キロを販売しました。

モデレーター: Moreloopの情報を取得したい場合、どのチャンネルをフォローできますか?

 

Ponさん: Facebook、Instagram、または Lineもフォローできます。Moreloop という名前を検索してみてください。または新世代にアプローチできる他のチャンネルも面白いので、今は研究しています。

Website: https://moreloop.ws/

Facebook: https://www.facebook.com/moreloopws

Instagram: moreloop.ws

Line Official: @moreloop

 

 

モデレーター:コロナ禍でお困りの起業家の方々に少しでも励ましの言葉をいただけませんか?

 

Ponさん: コロナは典型的な問題のようなものです。ビジネスをしていると、常に問題に遭遇します。私たちが生き残るか、生き残る方法を見つけることができれば、それは間違いなく将来私たちをより良くするでしょう。すべての問題には必ず解決策があります。いずれにせよ、私たちは変化を受け入れ、前向きな見方を持つ方法を学べば、危機を克服することができます。準備の仕方を常に知っておくことが重要です。ビジネス上の意思決定を行う必要がある場合、私たちは情報を手元に置いており、その時点で最良の選択を行うことができます。